「ヒルドイド」とは、病院やクリニックでの処方によって手に入る塗り薬です。アトピー性皮膚炎やひどい乾燥肌の方のために、医師が診察し処方箋を出してくれて、初めて入手できるものとなっています。
ヒルドイドはれっきとした治療薬ですから、ほとんどの場合健康保険が適用され、通常であれば3割負担で購入できるのですが・・・
ここ数年、本来ならお薬であるヒルドイドがお高い美容クリーム並みに効果を発揮するとうたう雑誌や口コミのせいで、アトピーなどの皮膚疾患ではない女性たちのあいだで急速に流行しているのです。
実際には、そのような評判を聞きつけた多くの健康な女性が、「ヒルドイドが欲しい!」と薬名を名指しで皮膚科なりに来院し、しぶしぶ医師がテキトーに病名を付けて処方するのだそうです。
なかには、アトピーを患う我が子に処方されたヒルドイドを、美容クリームの代わりに自分が使うという母親もいるのだとか。悪質ですね…。
そんなふうに、ヒルドイドが治療薬としてではなく美容目的で大量に処方されているため、「違法ではないのか?」と社会問題にまで発展しています。(美容目的らしき処方がなんと、年間約93億円分と言われています。)
そのため健康保険組合連合会では、ヒルドイドのみの処方は保険適用外(10割負担)とするとかしないとかの議論がされており、それが現実となって実際にヒルドイドの処方が保険適用外になってしまうと、どうなるかというと・・・
病気で苦しんでいる、ヒルドイドが本当に必要な人がとばっちりを受け、治療費が高額に!
「じゃあ、美容目的でヒルドイドをもらいに行くのが良くないのは分かったけれど、どうにかならないの?」って思いますよね。そこで…
実は、ヒルドイドと同等の効果をもたらす市販薬がいくつも販売されているんです!!
それらはドラッグストアなどで普通に購入できるため、診察も処方箋も必要ありません。商品をレジに持っていくだけです。(笑)
ということで今回は、そのようなヒルドイドの類似品が、デリケートゾーンの黒ずみに効くのか調査してみました!(市販薬の効果・効能はヒルドイドと同じとお考えください。)
美容クリーム代わりにヒルドイドを使用中の方や、これから使用を考えている方には、ヒルドイドではなく市販薬の使用を強くおすすめします。副作用など、使用上の注意点も説明しますので、是非あわせてお読みくださいね。
ヒルドイドってどういうモノなの?
このページに来てくださった方は、ヒルドイドについて詳しく知りたいはず。ですので、まずはヒルドイドがどんなものなのか、長々と解説していきましょう。
ヒルドイドってどんな薬?本当に安全?
「ヒルドイド」は皮膚科などで保湿剤としてよく処方される、とてもポピュラーな外用薬の名前です。
アトピー性皮膚炎や乾皮症などの疾患で、皮膚科を受診したことのある患者さんであれば、だいたいの方が知っているお薬かと思います。
ヒルドイドの使い方はアトピーを例にすると、患部にステロイド剤などを塗る前に保湿の目的で塗ります。メイクで言えば化粧下地みたいなものですね。そうすることで患部の乾燥から来るかゆみを抑えて、上に塗るお薬の効きが良くなるというメリットがあります。
ヒルドイドの安全性に関してですが、医薬品なのでもちろん副作用が出る場合もあります。どんな症状が現れるのかというと、皮膚炎、かゆみや赤み、プツプツができたりということです。しかしそのような症状の出る確率は、症例から見て1%にも満たないとの研究結果が出ています。
それから、ヒルドイドに配合されている添加物によって、アレルギー反応が現れることも。
たとえばヒルドイドのクリームには、防腐剤のパラベンや数種類のアルコール類が含まれています。これらの添加物によるアレルギーは、厳密に言えばヒルドイドによる副作用ではありませんが、アレルギーが該当する方は注意が必要となります。
ヒルドイドの有効成分とそのはたらき
ヒルドイドに含まれている有効成分は、「ヘパリン類似物質」です。ヘパリン類似物質とは、ヒトの体内にも存在するヘパリンと似たはたらきをする成分で、50年以上も乾燥肌の治療のために使われてきたものです。
そのヘパリン類似物質には具体的にどんな作用があるかというと…
- 保湿
- 血行促進
- 抗炎症作用
ヘパリン類似物質に備わる上記の3つのはたらきが、乾燥によって荒れてしまった皮膚を根本から正常にしてくれます。それはコラーゲンなりヒアルロン酸なりを塗った時のような一時的な保湿ではなく、皮膚の内側から新陳代謝をうながす作用があるためです。
ヒルドイドの一番の特徴は、このヘパリン類似物質が含まれていることだと言えますね。
ヒルドイドの種類と後発品(ジェネリック)
現在、ヒルドイドは軟膏、クリーム、ローション、ゲルの4種類が存在します。どのヒルドイドが処方されるかは、医師が診察して症状により決定します。また、複数種類処方される場合もあるでしょう。
ヒルドイドは50年以上の歴史と皮膚科以外でも広く処方されている実績があり、後発品(ジェネリック医薬品)も多数存在します。
後発品の中でもっとも多く処方されているのが、「ビーソフテン」というもの。
ビーソフテンにもローションやクリームなど種類がありますが、含まれているヘパリン類似物質の量はヒルドイドのシリーズと変わらず、どれも0.3%です。
どちらにせよヒルドイドもその後発品も、病院やクリニックでしか手に入らない処方薬となっています。
本当にヒルドイドには美容効果があるの?
ヒルドイドがアンチエイジングや毛穴に効くとか、色々口コミで言われていますが、ヘパリン類似物質やヒルドイド自体にそのような美容効果は一切ありません。
確かに保湿効果は高いです。でも、◯万円もする美容クリームに匹敵するほどの効果があるという話も、全く根拠がないのです。
それに、「アトピー性皮膚炎にはヒルドイドでなくとも、優れた保湿剤がいくらでもある。」という医師もいます。つまり、ヒルドイドだけがとても大げさに宣伝されているのが事実なのです。
ヒルドイドと効果の同じ市販薬がオススメ
「お肌が健康な人はヒルドイドを使っちゃダメ!」とは言えませんが、今のままでは近い将来、ヒルドイドの処方が保険適用外になる可能性は否定できません。
そこで、ヒルドイドの代わりになる市販のお薬をご紹介します!ヒルドイドの特徴でもある有効成分のヘパリン類似物質を、ヒルドイドと同量(0.3%)含んでいる商品だけ集めてみました。
(なぜ0.3%までかというと、「そう決められているんです」と某ドラッグストアの薬剤師さんが言ってましたw)
下記の市販薬はどれも「第2類医薬品」に分類されますが、ドラッグストアや薬局だけでなく、amazonや楽天市場などの通販でも購入可能ですよ。
- HPクリーム(グラクソ・スミスクライン)
- ピアソンHPクリーム(新新薬品工業)
- ヘパソフトプラス(ロート製薬)
- アットノン(小林製薬)
↑↑比較的入手しやすくて、コスパの良さそうなクリームタイプを厳選してみました。もちろん、探すとほかにもたくさんあります。
↓↓クリームタイプのこってり感が苦手な方には、ジェルタイプやサラッと伸びの良いローションタイプがおすすめ。
- HPローション(グラクソ・スミスクライン)
- ピアソンHPローション(新新薬品工業)
- アットノンジェル(小林製薬)
ここで紹介した商品すべて、ステロイド剤は入っていないのでご安心ください。ちなみに、ほかと比べちゃうとアットノンシリーズは少々お高めなんですが、取り扱っているお店が多くて手に入れやすいため載せました。参考にしてみてくださいね。
ヒルドイドとその市販品を使用する上で、注意すべきこと
ヒルドイドをはじめ、ヘパリン類似物質が含まれているものは医薬品です。医薬品だからといって誰が使っても安全ということはなく、場合によっては他の疾患に影響したり、副作用が出る危険性があります。
では、ヘパリン類似物質について、使ってはならないのはどんな人・どんな時なのか?みていきましょう。
使用してはいけない人
「出血性血液疾患」をお持ちの方の使用は、絶対にダメです。具体的な病名は、
- 血友病
- 紫斑病
- 血小板減少症
などです。
理由は、ヘパリン類似物質には血液が固まるのを防ぐ作用があり、出血を助長(酷く)してしまうためです。
ですから上記の疾患に当てはまる方は、ヒルドイドとその類のお薬を使うことができません。
使用できない症状
皮膚にひどい湿潤(ジュクジュク)やただれ、出血している傷のある場合も、ヒルドイドを使うことができません。
それはヘパリン類似物質が、血液が固まるのを防ぐと同時に血行を促進し、傷の治りを悪くしてしまうからです。
副作用について
上の方でヒルドイドの副作用に関して、発症する確率は1%も無いと言いました。しかし副作用が絶対に起こり得ないとは言えませんので、どのような症状が出るのか、念のため記しておきます。
発疹、発赤、かゆみ、はれ、かぶれ、乾燥、刺激、熱をもつ、ヒリヒリする、紫斑
(すべて皮膚です。)
これらの症状が現れたらすぐに使用をやめて、皮膚科などで診てもらいましょう!といっても症状が軽いものであれば、最寄りの薬局などで薬剤師さんに相談するのもアリだと思います。
ヒルドイドはデリケートゾーンの黒ずみに効くの?
ではでは、ヒルドイドおよび、ヘパリン類似物質を含むそのほかの市販薬が、デリケートゾーンの黒ずみに効くのかどうか。その真相を明らかにしましょう。
デリケートゾーンの黒ずみのおもな原因って、乾燥と摩擦なんですよね。だから、保湿性にすぐれたヒルドイドを塗ることで、デリケートゾーンの乾燥と摩擦を軽減できる可能性は高いかもしれません。でも…?
ヘパリン類似物質には、黒ずみにダイレクトにはたらきかける美白作用がありません!
それに、副作用とか安全面のことを考えたら・・・
粘膜部分が非常に近く、そして皮膚の薄いデリケートゾーンに塗るのは、危険が伴うと私は思います。
ということで、ヒルドイド(と、市販薬)はデリケートゾーンの黒ずみを解消する力がないだけでなく、塗るのは逆に危険な行為であるという調査結果に…。
けれども、デリケートゾーンの黒ずみ解消のための、専用の美白アイテムが多数あるんです!
それらは医薬品ではないので、副作用もありません。それにデリケートゾーン専用ということもあって、お肌にとても優しい成分でできています。美白成分も入っているのにどれくらい優しいのかというと、なんと敏感な赤ちゃんのお肌にも使えるほど。
- イビサクリーム
- ハーバルラビット
- アットベリー
↑↑このほかにも多数あるのですが、上の3つをそれぞれ一行で紹介します!(笑)
①イビサクリーム→デリケートゾーン専用美白クリームのなかでは超定番。
②ハーバルラビット→見た目も効き目もバッチリな優等生。ちなみに私の愛用品。
③アットベリー→本当はワキ用だけど、デリケートゾーンにも使えて大容量。
↓↓愛用中のハーバルラビットのレビュー書いてます!
敏感なデリケートゾーンのためにも、毎日使うものは安全で優しいものを選んであげてくださいね^^